まもなく半世紀、信頼の積み重ねで安心をご提供
株式会社橋本鉄工所は創業以来、自動車向けをはじめとする各方面への金属部品卸の商社として長らく事業をつづけてまいりました。おかげさまで社歴が半世紀近くになる老舗企業となることができましたが、この半世紀という期間は信頼を積み重ねることで会社の成長を果たした時間でもありました。
創業当時からのお付き合いになるお取引先さまもあり、当時は若かったご担当の方が今や責任あるポストについておられることを考えると、長い時間の積み重ねを感じます。
必要なものを必要なときに、必要なだけお届けするというのは、商品を供給する商社としてとても重要な機能です。それに加えて、お届けする商品が確かな品質のものであることが重要であることは言うまでもありません。
橋本鉄工所が長年にわたる事業を通じてこうした信頼におこたえできたことは今の信頼につながっており、これこそが最大の「商品」であると考えております。
ジャスト・イン・タイムで対応する責任
自動車に限らず、グローバル競争を戦うものづくりの世界では、部品の供給にジャスト・イン・タイムであることが求められます。そのためには小分けをして頻繁に納品をする態勢づくりが必要になりますが、これにはコストが伴います。
できるだけ在庫を持たないことがリスク軽減になるというのが常識になっている世界ですが、橋本鉄工所はあえて十分な在庫を保有することにこだわりを持っています。なぜなら、高度に分業化が進んでいる現在のサプライチェーンにおいて1つの部品供給が滞ることは生産全体に大きな影響を及ぼすからです。
大規模な災害時は言うまでもありませんが、些細な理由であってもメーカーからの供給が一時的に止まってしまうことはよくあります。そんなときに十分な在庫を確保し、サプライチェーンへの影響を防ぐことが、橋本鉄工所の役割であると考えています。こうした態勢を確保することにより、「少々のことがあってもへこたれない」という評価をいただいております。
安心・安定の供給体制をこれからも確保することにより、お客さまに安心していただける存在でありつづけたいと考えております。
何かがあったときこそ、その企業の真価が問われる
円滑なお取引がつづいているときには見えにくいことですが、金属製品の供給現場では「何か」が起きることがあります。その確率は極めて低くなっていますが、ゼロになることはありません。
不良品が出てしまったとき、不具合が発生したとき、どうするか?もちろん橋本鉄工所では最後まで誠心誠意対応します。結果によってはそのお取引が赤字になる見込みだったとしても、不誠実な対応をしたことで失う信頼のほうが重大な損失であると考えます。
何か起きたときにこそ、企業や人は真価が問われるものです。橋本鉄工所は最後まで責任をもち、誠意ある対応をいたしますので、これが会社としての信頼維持につながっている点は大いにあると思います。
2つの景色と2つの目線でイノベーションを起こしたい
ネジやボルトといった金属製品を供給する橋本鉄工所には、2つの景色が見えています。1つはお取引先さまから何が求められているかという直接的な景色で、もう1つはお取引先さまの向こうにおられるエンドユーザーの方々が何を求めているのかという景色です。たとえば自動車であれば購入したクルマに乗る人、ハンドグラインダー(手持ちの研磨機)であればそれをホームセンターなどで購入する職人さんといった具合です。
エンドユーザーの方々から好評を得て売れ行きが良くなれば、お取引先さまにも恩恵がもたらされ、そして私たち橋本鉄工所にも同様の恩恵となります。
こうした好循環を生み出すには、常にエンドユーザーの方々からの声に耳を傾け、どうすればその課題を解決できるかという視点が必要です。お客さま目線とメーカー目線という2つの目線を持つことにより、これまでに独自性の高い製品を世に送り出してきました。
創意工夫と付加価値をテーマに、これからもイノベーションを起こすことで新しい価値を提案していきたいと考えておりますので、今後の「橋本イノベーション」にもご期待ください。
イノベーション事例① 純正品を超える代替品のご提案
ハンドグラインダー(手持ち研磨機)にやすりを取り付ける際に、やすり部分を固定するための金具があります。純正品だと専用の工具を使って取り外しをするのですが、建設現場などでこれを持って行くことが面倒であったり、場合によっては紛失してしまうとやすりの取り外しができなくなってしまうという課題がありました。
そこで橋本鉄工所では専用工具だけでなく一般的な六角レンチでも取り外し可能にし、さらに専用工具で取り外しをする際にも差し込み穴を増やすことであらゆる角度から力をかけやすい仕様に進化させました。
現場からの声から生まれたアイディアですが、それに加えて複雑な形状の金具を低コストで製造できるという橋本鉄工所の経営資源が強みを発揮した商品です。
イノベーション事例② ナンバープレートのデザイン性に着目
公道を走る自動車やオートバイなどには必ず、ナンバープレートが装着されています。このナンバープレートは1955年に現行の制度が始まって以来、ほぼ変わることなく同じ仕様のものを装着することが義務づけられています。 しかし、その間にも自動車のデザインは進化をつづけてきました。億単位の予算を投じてマーケティングをおこない、研究を尽くした上で創りあげられる自動車のデザインに、半世紀以上変わらず同じ外観のナンバープレートが溶け込むかというと、それは難しいでしょう。 市販されている自動車、とりわけ乗用車のデザインを見ると分かりますが、膨大な数のボルトやネジを使っているにもかかわらず、それが外に見えていることはありません。しかし、ナンバープレートはそうではありません。 橋本鉄工所ではこの課題に着目、ナンバープレートと同じ色の専用ネジを開発、ナンバープレートが浮いた感じにならず溶け込ませるデザイン性を実現しました。 着想だけをコピーすれば誰でも作ることができるかというと、そこにも橋本鉄工所のものづくりのノウハウが詰め込まれています。簡単に外すことができない工夫など、細部にわたるまで技術とこだわりを形にしました。